Red Afternoon Blues/だててんりゅう評論

Red Afternoon Blues/だててんりゅう (KUMEさん評論)

1978年神戸でのライブ音源を中心に,諷刺,悪口雑言を随所に織りまぜながらひねりにひねったタンバリンサウンド!当時の彼等のオリジナリティー溢れる独創的でスピード感溢れる演奏スタイルが収録されてます。2004年リリース。

771978年に録られたライブ・テープ&1981年のスタジオ録音の全8曲。イキナリの、ベース&タイコのソロで、「おっ!」となる。その後、5曲目まで続くのはパンキーな楽曲。
そして、タイトルともなっている6曲目の「RED AFTERNOON BLUES」は、もろザッパ! 勿論、「UNTO」と「凪」の橋渡し的な感じは否めない。
しかし、それはこのアルバムが最後に出たからわかることであって、このアルバムだけを聴いた人は、「だててん」=「村八直系のパンク・スピリット溢れるロック・バンド」、という印象を持つのではないだろうか。ココでの隣さんのヴォーカルは、もう完全に箍が外れていて、若いというか、やっぱりイイ! 村地さんのお定まりサックスもエフェクト(ブラジル・サックス?)がかかっていて、何となくホノボノとさせられる。「時代の音」と言えば、それまでなのだが、このアルバムで「だててん」の流れが少し明確になったというコトからすれば、貴重な音源であることは確かだ。
 そして、何より、このアルバムの主役は杉浦さんのタイコであろう! 普通のロック・バンドにこんな上手いタイコはいないし、きっと必要も無いのかもしれない、しかし、「だててん」には、こんなタイコを必要なのだっていう気がする。
 最後の「毘沙門堂の風景」は、モリ・イクエのプログラミングが似合いそうな感じのシンセ・ソロで、実は、このアルバムで一番気に入っている曲かもしれない。
(kume.2004)

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