●1996年ギューン・カセットからリリースされた初期だててんりゅう71年~73年のスタジオライブ音源。 ディストーション・オルガンと当時のエフェクトを駆使した隣雅夫のロックスピリッツに溢れ縦横無尽に疾走するアクティブなプレイは驚異の一言!特に目をみはるのは,アナログテープエコーとファズを使った独自の奏法は創意と工夫が感じられ,よりいっそうのオリジナリティーを高めている。サウンドは8ビートを基本に変拍子をちりばめながら,とどまることのない音の洪水。極限状態のバンドの一体感,緊迫感がひしひしと伝わってくる。遊びの部分も随所に感じられ,キングクリムゾン,ELP,レッドツッペリンを茶化したようなフレーズ,リズムワークなど当時の時代背景を垣間みることができる。重低音が響きわたるパワフルなドラミングの中村よしたかと変幻自在な楢崎ひろしのワイルドベースが作り上げるダイナミックな躍動感は楽曲を熱く盛り上げている。 詩的部分は楢崎ひろしが醸しだす幽玄でストレンジな狂気を含んだ日本語の唄,いとも簡単にビートに乗ってグルーヴしまくる彼の叫びは必聴!今アルバムの中で唯一のバラード「あぶくの味」は70年代彼等が残した現代社会に放つ痛烈なメッセージである。 (dragon freek1996) |